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  • 住まいのこと

熱伝導率に騙される

「アイディールの家」水鳥です。

 

寒い冬の朝、和室の廊下(板の間)を歩くと、とても冷たく感じますが、畳に上がればそれほど冷たくは感じません。
畳ならべたに足を着いて歩けますが、板の上はつま先立って歩きたいぐらいです。

畳と板の間の温度差はどれほどでしょうか?
外に出ると、もっと寒いのは当たり前で、金属製スコップの握りは素手では握れないほどですが、氷の入った発泡スチロールスチロールなら外でも素手で平気で触れます。

スコップの握りと氷入り発泡スチロール!どれほどの温度差があると思いますか?

 

実はどちらもほとんど温度差はありません。

室温5℃の和室だとしたら、畳も板の表面も5℃のはずです。
外気温0℃の屋外なら金属スコップも発泡スチロールも0℃のはずです。
長時間氷が入った発泡スチロールだったらスチロールのほうが温度が低いかもしれません。

でも触って冷たく感じるのは金属スコップのはずです。
これらは一重に熱伝導率の違いによるものです。

 

世の中の一般的な物質で熱伝導率の最も小さいものといえば、気体すなわち空気ということになります。

因みに空気の熱伝導率は 0.0241W/mK (0℃)ですが、
スチールは53W/mKで、実に空気の2200倍
発泡スチロールは0.04W/mKで1.66倍
木材(松)は0.15W/mKで6.2倍
畳床は0.11W/mKで4.6倍

当然、熱伝導率の高いほど熱を伝えやすいわけで、スチールと発泡スチロールの差は歴然ですが木材と畳ではそれほど大きな差に見えません。でも実際には大きな差に感じます。

その理由は、畳の表面はすき間が多く、実際足に触る部分は小さいためです。
つま先立ちで歩けば、板に触れる面積が小さくなり、足裏全体ではそれほど熱を奪われることがないというわけです。

もしかすると偏平足の人には冷え性の方が多いかもしれません。

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