耐震化と断熱化は両立できる
元日から能登半島地震
被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
また寒さ厳しき季節も重なりくれぐれもご自愛ください。
この地震では建物の倒壊も多くみられ、改めて住宅の耐震性を考えさせられるところです。
地震のたびに屋根は軽く、壁を多くして耐震を重視した設計になりますが
いつのまにか元に戻り見た目の映える大開口の開放的な間取りに戻って、近ごろのハウスメーカーなどの商品には逆行したものも目立ちます。
そしてもう一つの大きな流れは省エネルギーのための断熱化です。
「耐震化」と「断熱化」全く別物のように思えますが実際にはほぼ同じ方向性といえます。
下の図は簡単な比較をしたものです。
図上は、窓を小さ目にとった家でこの外壁部分の壁量は
1階、1,583㎝ 2階1,365㎝
一方図下は大き目な窓の家ですが、外壁壁量は
1階791㎝、2階910㎝
と図上のものよりかなり壁量は小さくなります。
壁量は大きいほど耐震性は高くなりますから、窓を小さく壁面を大きくする方が耐震性は高くなります。
次に断熱性能ですが、外壁の平均熱貫流率を比較すると
窓の小さい図上は0.36W/㎡kに対し
大きな窓の図下は0.65W/㎡k
熱貫流率は小さいほど断熱性能が優れていることになりますから
これまた窓の小さな上図に軍配が挙がり耐震化と断熱化は明確に両立できる関係になります。